5:日々の管理
おおよそ、投与量が1ml/h(24ml/day)以下になるように薬剤を調整する。
以下にシリンジポンプを用いた場合を紹介する。
1 毎日行うべきこと
1) 刺入部の確認:
発赤はないか ?
腫脹はないか ?
かゆみは ?
2) 注入速度のCheck:
予定している注入量が入っているか?
薬剤が早くなくなっていないか?
設定に間違いはないか?
3) 投与量の調整:
前日に使用した量(PCA量も含めて)を、次の日の投与量とする。
【増量例】
例: | 4月1日 モルヒネ10mg/dayで計画 |
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モルヒネ10mg |
1ml | ||
生理食塩水 |
11ml | 計12ml 0.5ml/h |
※疼痛があり、PCAとして 3ml 使用した。
18時間で 10mg 使用したので、次の日は 13 14mg / day
4月2日のレシピ |
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モルヒネ20mg (2A) |
2ml | ||
生理食塩水 |
22ml | 計24ml 0.7ml/h |
2 トラブル時の対策
1) 穿刺部に発赤が見られた場合
まず針を抜き、穿刺部を変える !
刺入部の感染が疑われる場合は、抗生剤を投与する。
2) 穿刺部が痒くなった場合
まず針を抜き、穿刺部を変える
投与薬剤の中に、リンデロンR0.1ml(0.4mg)/dayを混合する。
3) 風呂に入る場合
針を抜き、刺入部をテガダームRなどの被覆材で覆う。
入浴後は、別の場所から穿刺する。
4) 投与量が多くなってきた時
投与量が1ml/hを越えて、かつ刺入部の発赤が頻繁に見られる場合
(刺入部に問題がなければ、1ml/hを越える投与も可能)
1) ルートを二つにする (注入器も2つになり、やや煩雑)
2) 投与薬剤の中に、リンデロンR0.1ml(0.4mg)/dayを混合する
3) 穿刺部をこまめにかえる
4) 可能ならば、持続静注もしくは持続CV投与に変更する。放射線科に相談し、
CVポート埋め込みの適応を検討するとよい。
6:おわりに
緩和ケア上、わからない事があれば、遠慮なく緩和ケアチームにコンサルトしてください。