緩和ケアチームとは

精神症状

  • せん妄 
  • 気持ちのつらさ 
  •   この項目は日本緩和医療学会PEACEプロジェクトの
     エンドユーザー研修会資料の一部を改編して使用しています。

せん妄とは

  • ・軽度〜中程度の意識障害が主症状
  • ・幻覚、妄想、興奮などの精神症状を伴うことがある
  • ・急性、亜急性発症し、症状の日内変動が存在する
  • ・原因は、身体疾患や薬物である

せん妄の評価 診断基準

  • ・意識障害:ボーっとしていて、周囲の状況を良く分かっていない
  • ・認知機能・知覚の異常:見当識障害、幻覚、妄想など
  • ・日内変動:1日の中で症状のむらがある。夜間に悪化
  • ・原因となる薬物、あるいは身体要因が存在する
  • ・上記を全て満たす場合、せん妄の診断に該当する

原因の検索1

薬剤の評価

  • ・オピオイド
  • ・睡眠剤、抗不安薬
  • ・抗コリン作用のある薬

せん妄出現の少し前に開始・増量されていれば疑わしい

原因の検索2

全身状態の評価

  • ・高カルシウム血症
  • ・脱水
  • ・呼吸不全
  • ・高アンモニア血症
  • ・腎機能障害
  • ・貧血
  • ・低ナトリウム血症
  • ・感染症
  • ・中枢神経浸潤 など

せん妄の治療 可逆性の見積もり

回復可能 不可逆
脱水 肝不全
感染 腎不全
高カルシウム血症 低酸素血症
薬剤性 頭蓋内病変

※病状の進行によるせん妄は不可逆であることが多い

せん妄の治療 STEP

STEP1原因の治療

身体要因への介入

脱水に対する輸液
感染症に対する抗生剤投与  など

原因薬剤の変更・中止

オピオイドローテーション
睡眠薬から抗精神病薬への変更

不快な症状への対応

疼痛コントロール
便秘のコントロール  など

家族への説明

認知症とは異なり、身体疾患や、薬剤が原因であること、原因が除去されれば回復可能であることを説明する 。

原疾患の進行による場合は、せん妄が病状進行のサインであることを説明し、家族のつらさを理解し、声かけを行う。

家族が実行できる患者のケアなどを一緒に探す。

つじつまが合わない言動は、無理に修正しようとせず、話をあわせたり、話題を変えたりする方法を推奨する。